雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【雑記】『ジョージ・ジョースター』とデニーズの共通性

 舞城王太郎氏が執筆したジョジョ二次創作小説にして、『vsJOJO』第三弾目の作品でした。

 一作目の上遠野氏の『恥知らずのパープルヘイズ』は概ね好評で私も好きな作品です。

 二作目の西尾氏の『オーバーヘブン』は主にネットで不評ですが、私個人としてお気に入りの作品です。

 そして、この『ジョージ・ジョースター』ですが……正直言うと、私は馴染めずに途中で読むのを挫折してしまいました。

 冒険したストーリー自体は私は好きなのですが、一人称描写なので読みづらい所や、前日談なのか再構成なのか一つに絞っていない所が惜しい所でした。

 しかし、それ以上にネックとなったのが本としての構造です。

 250~300ページが基本の小説本でありながら何と倍以上の約800ページで、それでいながら文字は小さくびっしり敷き詰められて改行も少ないというものでした。

 本来そこまでの文字数ならば2~3冊に分けるべきなのを、この本は無理矢理一冊に纏めていました。それが私が読むのを挫折した一因です。

 ですが、私が前に一人称小説について言った通り、これには強力な影響力というものがあり、それによりこのジョージ・ジョースターもカルト的な人気も誇っています。

 故にか、先日この作品の完全版が発売されました。

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 それ自体は人気もあるのだから頷けます。しかし、問題だったのが『無理矢理一冊に纏めた仕様』まで同じだった事です。

 これは編集の確信犯でしょう。故意犯を指す間違った使い方の確信犯ではなく、正しい意味での確信犯です。

 つまり編集はジョージ・ジョースターが無理矢理一冊に纏められていて分厚くなっているのがカルト的人気の一因となっていると知り、それがセールスとして正しい事と認識してやったのでしょう。

 こういうやり方は、デニーズと似ているんですよね。

 デニーズはユーザーからはアンケートを取らない、または取り入れない等して独自に作ったメニューや果ては独特の形の食器を打ち出すという手法を用いています。

 つまり、ユーザーの意見を取り入れない方法は、やり方次第で時に強烈なカリスマ性的なものを生み出すという事だと思います。

 このような事を私は言いましたが、ジョージ・ジョースター完全版は面積に関しては(否・体積)文庫本サイズなので、内容は良かったけど本として読みづらくて挫折した人は、これを購入して再チャレンジしてみるのも手かも知れません。
(しかし、本の話題で体積という言葉が出るのはどうなのだろう?)

 これも、こういう事を書く人が出るから話題性が出てセールスに繋がるという編集の計算なのでしょうね。