『天装戦隊ゴセイジャー』
スーパー戦隊シリーズ第34作目の作品です。
しかし、この作品、残念ながら歴代戦隊シリーズの中でも人気が低いのです。私は大好きな作品なのですが。
そこで、今回はその理由を私なりに考察してみました。
その理由の一番の要因は、恐らく『自己投影のしづらさ』にあるのではないかと私は考えました。
まず、天知親子の存在が一般人である事により視聴者に立ち位置が近くなっています。
その事により、天装戦隊たる護星天使の面々が良き隣人といった映り方をしていました。
理想的と思える描写でしょう。
ただし──視聴者はヒーローは=自分でなければならないのです。
殊更特撮のヒーローではその意味合いが強いでしょう。その為に素顔を隠し、自分を当て嵌めやすくするのに適した『仮面のヒーロー』なのですから。
そうなってくるとゴセイジャーにおいてヒーロー=他人という位置付けになります。
そこで、視聴者は抜け道として敵である『怪人』に自己投影したくなる事でしょう。
しかし、それも問屋が卸さなかった訳です。
その理由が今作品の最大の特徴である『敵組織の入れ替わり』です。そうして合計三つの敵組織が一つの作品内に登場しました。
つまり一つの組織の稼働期間が短くて感情移入がしづらかった訳でしょう。
これらの事が敵にも味方にも自己投影しづらく、今作品の人気を低迷させた一因だと私は考えます。
これらの要因が重なったのは、偶然にしては出来すぎていると私は思います。つまり、わざと大衆に受けない作り方をしたのだというのが私の考えです。
その試みは決してでたらめなものではなく、狙いがあったのでしょう。
何故なら次回作がスーパー戦隊シリーズ最大のクロスオーバー作品たる『海賊戦隊ゴーカイジャー』だったからです。
つまり、落胆から大盛況に一転させてギャップやインパクトを狙ったと考えられます。
ちなみに、不人気だったゴセイジャーですが、その一方でブレドラン(ブラジラ)がカルト的人気を誇り、真の主人公として人気でした。
彼は姿を変えて全組織を渡り歩き、果てはラスボスにまでなりました。おまけに美形です。
つまり、彼の人気が私の読みが的を得ている裏付けになっているのではと思います。