サイトウアユム氏が小説家になろうで連載中の作品で、めでたく書籍化もされています。
そして、この作品こそが前に私が言った『小説家になろうである人が集めたベスト15で、唯一の真っ当な三人称描写作品』なんですよね。故に描写が丁寧で読みやすいです。
そこでタイトルの事についてです。
別にこの作品のテーマは復讐ではありません。
では、何がリベンジかと言うと、サイトウアユム氏自身の以下の人物に対する復讐であると私は考えます。
(プライバシー保護の為にモザイク処理をしております)
まず、この人は自分の同席の女子二人が後輩にゴルフクラブ磨きを命じていた事を知り、体罰を与えます。
体罰は良くないやり方ですが、ここまでなら問題に真っ当に向き合う姿勢を見せたと言えるでしょう。
しかし、問題はその後です。例の後輩は、確かに女子二人への復讐の為にゴルフクラブが折れる細工をしたのは悪い事です。
ですが、この人は後輩が実力を出せないからそういう手段に及んだにも関わらず『お前は名家の出身なんだから実力で勝負しろ』という旨の言葉の後に……彼にも体罰を与えて、挙げ句三人に纏めて『あーあ、情けねぇ!』と喧嘩両成敗を気取りました。
(プライバシー保護の為にモザイク処理をしております)
続いてこの人です。この人はとある双子の兄に『片割れは何の取り柄もないカスだったようだな』と中傷しています。(ちなみにこの人は偉大なので、彼を悪く言う方が中傷になります)
これらの事がサイトウアユム氏にも悔しい思いをさせたのでしょう。
(この人達の支持者は『現実、フィクションの人物問わず評価をしろ』と言いますが、それなら『架空の人物から現実の人間と同じ位悔しい思いをさせられた』という意見も受け止めなければならないでしょう)
それでサイトウ氏は『クロの戦記』を手掛けるに至ったのでしょう。
現に主人公クロノに関して、『家柄以外何の取り柄もない』とあの二人を意識したような記述がなされています。
そんなクロノが『謀略と偏った魔法』を駆使して大活躍していく様は非常に爽快で、この作品の醍醐味です。
この作品は、私のように毒親育ちで自分に自信を持つ能力を奪われてしまった人にオススメかも知れません(個人差はあると思います)。