雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【良心図鑑】ウェンディ・ギャレット

[登場作品]
ガン×ソード

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 この作品のヒロインにして、もう一人の主人公といった立ち位置ですね。
 しかし、彼女はロボットアニメに登場するにも関わらずパイロットになる事はありませんでした。サブパイロットにすらならなかったので、どうしてもスパロボでのイメージは地味なものとなってしまうのです。
スパロボTで初の声付き作品への参戦ですが、やはり彼女がどう扱われているかが不安要素となりますね)
 そして、生身でのバトル描写もほぼ皆無という、とことん彼女の描写は劇中で世知辛いものとなっています。

 ですが、彼女の存在意義は確実にあったといえるでしょう。
 まず、彼女は兄であるミハエルがカギ爪の男に拐われたので(実際はミハエルの意思で彼に同行していた)、ヴァンと目的の人物が同じという事で彼と行動を共にしようとします。
 この時点から、彼女が行動的な人物である事が表現されているのですよね。ヴァンに任せていればカギ爪の男は対処してくれるだろう中で自ら動くというのは、彼女が積極的であるという事を表しています。
 でも、それは彼女の『背伸び』の精神もあった事が籠められています。よく『子供扱いしないで下さい』と言っていた事がその裏付けになります。

 彼女がより精神的に成長していったのは、やはり2クール目からと考えていいでしょう。
 ミハエルがカギ爪の男に心服していたのにショックを受けていた所に、見知らぬ老人から励ましの言葉を掛けられ(それがカギ爪の男でした)、そこから自分なりに新たな目的を見出だして立ち直っていきました。
 その彼女の新たな目指すもの、それは『お嫁さん』になる先にある『理想的な母親』を谷口監督はイメージしていたのではないかと私は思います。
 加えて、普通の感覚では少女のイメージからは想像出来ませんが、『武士道』に似た形になっていますね。
 まず、ウーを相手にしていた時に見せた『敵に背を向けない姿勢』、カギ爪の男と対談する際に一人で会いに行き仲間を引き連れていかなかった『敵に情けを掛ける様』、最後にカギ爪が間違っていると思い、彼に従うミハエルを止めようとした『間違いを正す事』等です。
 これは、武士道は理想的な親には役立つからという谷口監督の考えがあるのでしょう。
 これらの事から、ウェンディの生き様は私には真似出来ないと感じましたね。
 特に背を向けない様は。私なら逃げ道を作るでしょうから。しかも、ヴァンに逃げるなというのではなく『私は逃げない』ですから。その逆はサイコパスに非常に多いですから、彼女はとても立派だと思います。

 しかし、谷口監督はこの作品から自分の作品に対してエンターテイメント性を強調しています。なので、彼女の事に対しても彼自身は考え方を強要してはいませんので、この記事はあくまで私のウェンディに対する見解であり、その人その人が感じるままでいいと思います。
(しかし、その方針がファサリナのカルト的人気を生む一因になっているので私としては複雑な気持ちですが)