雷獣ケーキ

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【ノベライズ小説】みこはじめ:前編

【ノベライズ みこはじめ:前編】
 この小説は成人向けの内容となっていますので、18歳未満の方はご覧にならないようにして下さい。
 そして、ノベライズとありますが、台詞や展開は独自の形の部分が多くなっています。

  今日は令和……、つまり平成の時代が終わりを告げ、新しい年号となった日の元旦という、非常に記念すべき日なのである。
 そして、とある少女が自室で一斉一大の事を成し遂げるべく行動を開始せんとばかりにしていた。
 黒髪のショートヘアがチャームポイントな彼女の名は早希。彼女はごくりと唾を飲み込むと、戦場へ赴く為に洋服を脱ぎその身をさらけ出し、生まれたままの姿となっていたのだった。
 この姿は無防備な、誰にも見せたくないものである為、早い所着替えなくてはならないだろう。なので、彼女はその衣装へと身を包む事とする。
「早く着ないと……ずっとハダカのままじゃマズいからね……」
 早希が早鐘を打ちながらもまず袖を通したのは、小袖であった。それを彼女が身につけると、どこかこそばゆい気持ちとなってくるのだ。
 和服という現代日本では普段からは余り着ないような代物を身につけるのだ。そこから来る刺激というものは如何ほどだろうか。
 そして、小袖を身に纏った身体から覗くすらりと伸びてしまう生足が艶めかしい。だが、これには至って構造上の問題はないのである。
 何故なら、彼女がこれから身に纏おうとしている服は、巫女装束なのであるからだ。緋袴を履く上で、上に着る小袖の丈は短くしなければならないのである。
 そして、早希はその緋袴も身につけていったのだった。
 それにより、彼女は一段と艶やかな出で立ちとなるのだった。白の小袖に緋色の袴、そして『肌色の脚線』がそれぞれがそれぞれを引き立て合っていたのである。
 こうして『戦闘服』に身を預けた早希は、そのまま戦場へと赴いていったのだった。

◇ ◇ ◇

 戦場へと足を運んだ早希の目の前には、ある青年がいるのであった。それは彼女の兄である剛史である。
 その彼に、早希は颯爽と声を掛ける。
「どう? 私の巫女姿は?」
「おおっ!?」
 これには剛史も思わず感嘆の声を漏らしてしまったのだった。無理もないだろう。現代日本において、巫女をお目に掛けるとなれば、神社へと赴かなければ出来ないものなのだから。
 その剛史の反応に掴みを感じ取った早希は、そのまま続ける。
「そして、年明けには『姫はじめ』よ!」
「早希、お前意味分かっていってないだろ?」
 そう剛史は呆れながらツッコミを入れるのだった。何せ、その言葉は大それた意味が籠められているからである。
 だが、ちゃんと早希には分かっているのである。なので彼女は堂々とこう言うのだった。
「年の始めの性交♪」
 とうとう言い切ってしまった。この『姫はじめ』という言葉にはそういうとんでもない意味があったのである。
 その事を最初から早希は分かっていた事は明らかだろう。それが彼女の今の出で立ちが物語っているのであった。
「それにしても……何というか……」
 それについて剛史は指摘しようかどうかと迷う。その理由は、あまりにも今の早希は『冒険』していると言えるからである。
 だが、一先ず固唾をごくりと飲み込み、剛史はその領域へと踏み込む事とする。
「透けてるし! ──短いし!」
 剛史は果敢にも単刀直入にそう切り込んだのだった。
 それが、一体何を意味しているかを説明しなければならないだろう。
 まず、上半身の小袖はレースのカーテンの如く透けて向こう側が見え、いたいけな早希の肌色がしたたかに覗けていた。
 そして、下半身の緋袴はまるでミニスカートのような丈しか存在していない危なげな代物だったのである。これが、先程袴を履いていると記述したのに生足が認知出来た事の真相なのであった。
 これが、早希の今回の決意の表れであったのである。普通の巫女装束にはないような破廉恥な格好をする事により、戦場に赴く自分の気持ちを昂ぶらせ、愛しの兄には喜んでもらおうという算段だったのだ。
 だが、次に剛史が言う通り、これは生半可な覚悟では行えない事なのであった。
「しかし……、そんなに透けていて短いのに下着を着けていないとこうなるよな……」
 そう、早希はこれだけのあざとい格好をしているにも関わらず、その下は素肌という暴挙に出ていたのだった。
 そんな状態で、早希は悪びれもせずにこう言ってのけた。
「着物の下はハダカ!」
 とうとう早希は言ってしまったのだった、その問題発言を。
 厳密には、着物の下には西洋の下着は着けないものの、襦袢やら何やらでちゃんと和装用の下着を身につけるものなのである。
 だが、今問題なのは正式な着物の着方ではないだろう。意識を向けるべき事は、今こうしてスケスケの小袖とミニスカ然とした袴の下は見事なすっぽんぽんである少女がこの場にいるという事実であろう。
 そして、早希は見事にこの服を着る前にあった逃げ腰な心は完全に払拭していたと言えるだろう。
 この挑戦的な意味合いしかない巫女装束から勇気をもらう事が出来たと言えるかも知れない。その勇気は余り褒められるものではない、ふしだら極まりない代物ではあったが。
「まあ、何だ。取り敢えず早希の心意気というものを確かめるのには賛成だな」
 そう言いながら剛史は、無防備な服に身を包む早希の身体へと触れながら言うのだった。
「うん、お兄ちゃん案外バカだねぇ~」
「ほっとけ」
 妹の手痛いツッコミも、さらりとかわす剛史であった。そのようなものは、これから行う神聖な行為の前では取るに足らないものであるのだから。
 まずは、二人は触れ合った状態で口と口を重ね合わせ始めたのだった。所謂接吻というものであり、本格的な『行為』の前には互いの士気を高揚させる上で重要な事前動作と言えよう。
「んんっ……」
「むぅ……」
 二人はくぐもった声を出し合いながら、同時にぴちゃぴちゃと卑猥な水音も奏でるのだった。これらの演奏が二人の脳内を甘ったるく焦がしていく。
「んぱぁ……」
 そして、どちらからともなくその口を離したのであった。その後、まるで絵に描いたかのように見事によだれの架け橋が構築されたのである。
 その光景がまるで、二人の名残惜しい心持ちを体現しているかのようであったが、いつまでもここで足踏みをしている訳にはいかないのである。
 何せ、これは行為における第一段階に過ぎないのだから。ステップを踏んで登山とは逆にどんどん下へと下がっていくのが契りの醍醐味なのである。
 そして、剛史はとうとう第二関門へと意識を向けるのだった。
「いや、しかし。乳房の様子も見事に外から拝めるというものだなぁ……」
 そう、彼が目を向けていたのは、半透明の衣の奥底から覗く、柔らかそうな胸肉なのであった。
 当然彼はそれを見るだけで満足はしないのだ。故に彼の次の行動は決まっていたのだ。
「あんっ……!」
 思わず甘ったるい声を出す早希。何故なら、彼女は寸分違わぬ狙いで、自身の乳房を兄の手により小袖越しに鷲掴みにされていたからである。
 それにより、剛史は気を良くしたのであった。その弾力のある脂肪の塊を羽衣のような生地の上から尚も揉みしだいていくのだった。
「ふん……くふん……うん……」
 当然早希も自分の女としての象徴を練り込まれるようにして扱われると、自然とその息も上がってくるのだった。
 このまま自分の胸肉を愛しの兄へと捧げてしまいたい衝動に早希は襲われてしまっていた。乳房から全身を蕩けさせられるかのようなその甘い感触にどっぷりと浸りたい願いが鎌首を上げて彼女を支配していったのである。
 だが、その願いは叶えられる事はなかったのだった。突如として、早希を今までとは異質な刺激が襲ったのだった。
「っくぅっ────っ!?」
 思わず仰け反ってしまいそうになるその感触の正体を、彼女は直に察する事となっていった。
 簡単な話だった。彼女はその薄布越しに、今度は胸の先端を摘ままれていただけの事であった。
「あ……、乳首はダメぇ……♪」
 早希は「駄目」と口では言っていたが、明らかにその声色には喜色が溶け出していたのである。
 その事を剛史はしっかりと把握した上でこう言った。
「ああ、やっぱりその服だと乳首への刺激も気持ちいいか……」
 納得しながら剛史はささやくようにそう口にするのだった。そして、彼は自分の読みは正しかったと確信するのだ。
 それは、これだけ外から素肌の様子を写しだしてしまうような服なのである。
 そして、基本的に生地が薄く触り心地がいい物程、肌も自然と快感を感じるものなのである。
 故に、これだけ透明スレスレの生地となれば、それが肌に与える刺激というものは一入となるだろう。要はその剛史の読みは見事に的を得ていたという事なのだ。
 その事が分かれば、今後の剛史の行動は決まってくるというものだろう。先程は不意を突く感じで片方の乳首を責めたが、今度は違うのであった。
「ああっ! ちくびりょうほうはらめぇ~っ!?」
 今度こそ仰け反りながら早希は遠吠えのようにそう叫んだ。二つの胸の先端から送り込まれて来る甘美な電気信号に彼女は脳を焦がさる感覚となっていった。
 しかも、人肌への快感を与える事に特化した衣服と呼べないような布の上からである。早希へのその弾けるような波動は彼女を翻弄していったのである。
 その行き着く先は一つであろう。彼女はその答えをプライドをかなぐり捨てるように漏らしていった。
「い……イク……」
 そう、アクメとかオーガズム、即ち絶頂と呼ばれる概念へと早希は誘われようとしていたのだった。
 女性の性感帯は男性のそれよりも色濃く遺伝子に刻まれているのである。そのため、早希は早くもその悦びの境地へと辿り着こうとしていたのである。
 これで恥ずかしい思いもしながらも、一息つけば内で燃え盛る女体のクールダウンが行えるだろう。そう考えた早希はこのまま悦楽の波動にその身を預けようとするのだった。
 だが、そうは問屋が卸さなかったようだ。乳首から早希の全身へと送り込まれていた快楽信号は、今この場で途絶えてしまったのだった。
 何事かと早希はくまなく注意を向けてみると、その答えに辿り着くのであった。
「あれ……お兄ちゃん、何で……?」
 そのもたらされる違和感の正体は、我が兄にあったのだった。
 見てみれば、剛史は先程まで服越しに両乳首を責めていた指をすっぱりと離してしまっていたのである。
 その事に困惑する早希に対して、剛史は悪びれもせずにこうのたまうのであった。
「まだ乳首じゃないか、イクのはまだ早いと思うよ」
「そんな……」
 その言葉に、早希はお預けをくらった犬の気持ちがなんとなく分かるような切ない心持ちとなるのだった。
 そんな正直な振る舞いを見せる早希を愛おしいと思いつつも、剛史は心を鬼にしてこう言葉をつぐむ。
「そう気を落とすな、まだ乳首じゃないか。楽しみはまだ先にあるというものさ……早希もその気でこの服を着たんだろ?」
 そう言いながら剛史は、今度はその手を早希のすらりと伸びた美脚へと滑らせていた。勿論、その行為は袴でありながらミニスカート丈しかないそれに身を包んでいるが故に出来る事なのであった。
「ああん……」
 そのため、早希に送り込まれる甘美な味わいも一入となるのだった。何せ、生の足に手を触れられているのだから。
 そんな早希の反応を見るだけでも剛史としては満足な所であろう。だが、それだけではこの魅惑的な巫女装束に身を包んでくれた早希に対して失礼に値するというものなのだ。
 そう想いを馳せる剛史はある邪な願望を胸にたぎらせてこう言うのであった。
「早希……。後ろ向いて四つん這いに……なってくれるな?」
「えっ……!?」