雷獣ケーキ

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コスプレ! 聖女学園004

※この小説は成人向けとなりますので、18歳未満の方は御覧にならないようにお願いします。

【コスプレ! 聖女学園004】
 突然ではあるが、今のさやかと望の二人は、近くの神社の境内にある森の中を『肝試し』という名目の元に歩いていたのであった。
 これだけ書くと話が飛びすぎているように思えるが、実際はちゃんと繋がりのある事なのであった。
 その証拠に、二人の今纏っている衣服は、普段着では無いという事実から判断出来るだろう。
 かと言って、夏の夜の散策に愛用されるような浴衣でも無い所なのであるが。
 少し話は逸れるが、浴衣は和服であるが為に、その実は西洋の下着を身に着けずに着るというのが正装という所なのである。
 つまり、逆を言えば浴衣というものは堂々とノーブラノーパンになって着る事が出来るという解放感を求める人にはうまい抜け道として愛用されている……ような状況がこの日本のどこかにはあってもおかしくはないだろう。
 しかし、今の二人は浴衣以外の手段で以って、その目的を果たしている真っ最中なのであった。
 ここで、今の状況を的確に一言で言い表してしまうのがさやかだったのだ。
「うん、望も似合ってるよ♪ 『聖女学園の制服』がね♪」
 はい、これにてこの小説の読者は他の解釈に逃げる事が出来なくなったというものだろう。
 二人はまごう事なき、件の学校の制服としてはおろか、衣服として認めてしまえるかどうかも疑わしい代物に身を包んでしまっていたのであった。
 そして、事の詳細はこうである。
「さやかさん。よくこういう事思い付くね……」
「だって、こんな制服白昼堂々と着て歩く事なんか出来ないからね☆」
「それを言ったらおしまいだけどね……」
 そう、事は簡単なのであった。
『昼間に着て歩けるような服でなければ、夜に着て歩けばいいじゃない』という暴論とも言える発想の元に二人は今行動しているのである。
 それでも、賢明な読者の方ならすぐに察する事が出来るであろう。
 現代社会の日本は、電気技術の発達により、はっきり言って夜でも街中は道外れでもない限り明るい空間が作り出されているという事を。
 その為、例え夜であっても聖女学園の制服を着て街中に出る事など出来はしないという所であろう。
 そもそもが、聖女学園は外界から隔離された世界に居を構える場所なのである。
 つまりは、元から街中に繰り出すという用途の為には作られていない代物なのだ。
 しかし、ここでさやかはこう思っていたのであった。
「こんな素晴らしい服を着て、解放的に屋外で過ごさないなんてもったいないでしょう?」
「でも、それってこの服の本来の目的じゃないでしょ?」
 その望の理論は正論というものであろう。この制服は断じて快感を味わう為には作られてはいないのだから。
 極めて正論であろう。だが、この論に対する反論というものも、さやかはちゃんと用意をしておいたという事なのである。
「その言い分はもっともだけどね。何でこの聖女学園の制服が通販で売られていると思う?」
「それは……」
 そう言葉を濁す望であったが、ここで彼はさやかが言わんとしている事が否応にも察する事が出来てしまう所なのであった。
 そして、その読みは現実のものとなるのである。
「そう、この制服を通販で売り出した人は、気持ちよさを感じて欲しいからに他ならないって事なんだよね? 要は、この制服の虜になってしまったって事ね」
「でもそれって……」
 ここで望は言葉を纏めるのであった。そして、彼の脳内にある情報を引き出しに掛かったのであった。
「この制服を女の子の着せるのは、恥じらいの気持ちを常時持たせる事で男性好みの乙女を育てるというのが指針なんだよね? だから、この制服に喜んでいたんじゃその方針から逸れてしまってるよね?」
 このようにして、望は理論漬けでさやかとこの制服を売り出した者を一気に畳み掛けようとしたのである。
 だが、そう簡単にこの観月さやかという牙城は突き崩せない所なのである。でなければ、彼女の挑戦精神はここまで立派に育ってはいなかった所であろう。
「望の言う事はもっともだよね? この制服に悦んでいたら本末転倒もいい所だし」
「そういう事」
 これで望は舌戦に勝ったと思うのであった。だが、そうは問屋は卸さないのであった。
「でも、何事も人の考えたセオリー通りにはならないものでしょ?」
「うっ……」
 この反撃の狼煙によって望は立ち向かう牙というものをものの見事にへし折られてしまったのであった。
 そして、それは正に正論なのである。
 世の中というもの、ごく一部の人間の推測や計画の通りに物事が進むという事はないというものなのだ。
 もしそうであれば、簡単に世の中というものは完全な平和となるか、はたまたあっさりと一部の人間の支配下となってしまうというものであろう。
 即ち、恥じらう乙女を生み出す為の聖女学園の制服というセオリーに当てはまらずに逆に快感の虜となった生徒がいてもおかしくはないという所なのだ。
 ここまでの理論を叩き付けられた望は、もう抗う事はしようとは思わないのであった。
 元より、彼はこの場には事に抗う為という意識は全くを以て存在させてはいなかったのだから。
 それが意味する今の望の状況を、さやかは的確に言い表すのであった。
「話はこれ位にしようよ。望も似合ってるよ、その『聖女学園の制服姿』♪」
「う~ん、そう言われても複雑な気分だよねぇ……」
 望はこのさやかからの称賛に対して、喜ぶべきか嘆くべきかを大いに悩んでしまう所なのであった。
 それもそうだろう。確かに彼は女の子っぽい可憐な容姿を持っているが、それでもれっきとした男性であるのだから、女生徒用の制服を着ているのを似合っていると言われても素直には喜べないというものであろう。
 ましてや、散々触れられている通り、この聖女学園の制服は衣服というカテゴリーに分類してもいいのか甚だ疑問という代物であるのだから。
 だが、その事に関してはさやかは多少ならば望の意見や世間一般の倫理観というものはどうでも良かったのであった。
 その答えは、やはりこうなのである。
「そんな細かい事は言いっこナシだよ♪ 要は望が似合っているかいないかが重要な事なんだからね♪」
「さやかさん……」
 そうさやかに言われたとなれば、望は異性としてしっかりした所である事を意識させられるのである。即ち、彼の心は今正に凛々しい男性のそれとなっていたのであった。
 だが、それは少々さやかのお好みになってはいなかったのであった。
「何カッコイイ男の子らしくしてんのよ? 望は今『聖女学園の女生徒』なんだからね?」
 そう言い放つと同時であったのだ。さやかはそのスケスケの聖女学園の制服越しに、望の乳首をやんわりと転がしてみせたのである。
「ああん……」
 その突然の甘い感触に、望は思わず艶っぽい喘ぎ声を漏らしてしまうのであった。
 その辺りは、彼がれっきとした男性でありつつも、その肉体と感度は女性に似通うからという覆せない現実から来る所なのであった。
 その様子を見ながら、やはりさやかは得意気になるのであった。
「うん、いい反応だね♪ それでこそ望だよ♪」
「さやかさんってば……」
 そんな彼女に対して、これまた可愛らしくすねた態度を取ってしまう望であった。やはり、彼は可愛らしいのである。
 だが、彼にも可愛らしいとは無縁の物が存在しているのであり、それが今の乳首への干渉によって浮き彫りにされたのだ。
「ひぃやああ……」
 ここで望の態度は先程の可憐な反応とは逸してしまったのであった。それは、悲鳴にも似通った嬌声を伴うものであったのだ。
 彼の身に起こった事。それは一言にすると『勃起』であるのだった。
 当然だろう。何せ望はさやかとは違い、幾らその容姿が可憐であるとはいえ、れっきとした男性であるのだから。
 即ち、彼の股間にあるペニスが、乳首からの快感に連動して、はしたなく血流が流れてそそり立ってしまうのであった。
 しかし、ここで思い返して欲しい。彼は今何度も述べているように、その身に纏っているのは普段のズボンではなく、基本的に女性だけが履く『スカート』なのである。
 しかも、例によってこの聖女学園の制服には『中央に』スリットが入ってしまっているのである。
 そうなれば、そこから生まれる惨状というものが想像出来てしまうだろう。
「あ……いや……」
 彼は思わずその容姿のような乙女っぽい恥じらいの態度を示してしまうのであった。
 そうなるのも無理はないというものであろう。何せ、彼はそのスリットの中からみっともなく勃起したペニスをビンビンと曝け出してしまう事になってしまったのであるのだから。
 そう、彼はスカートのスリットの中から盛大に逸物を勃たせて外の世界へと導いてしまっている状態となっていたのであった。
 それは、下着を着けないというこの制服のルールに乗っ取っているが故に起こってしまった惨状という訳なのである。
「あが……あがが……」
 そのようにして、望はペニスを見事に隆起させながら喘いでいる所なのであった。
 実を言うと、これだけで既に本来ならば彼は射精に達してしまっていた所なのである。
 それも無理はない所であろう。これだけ着る者の性感を最大限に高めるような衣服を身に着けた状態での性的接触をなされてしまったのだから。
 だが、実際には彼はその肉棒から白濁の液をぶちまけるには至らなかったのであった。
 それは、彼が自身の忍耐によって耐えたからであろうか?
 実際、望の精神はその可憐な容姿に合うような儚い所が大きい所ではあるのだが、その一方でそれに似つかわしくないような強さというのも内に含有しているのだ。
 だが、それでも今の彼がこの快楽に抗うに至る程の強さというものは持ち合わせてはいない所であったのだ。
 では、何故彼は今射精せずに済んだという事なのだろうか?
 どうやら、その答えを代わりにさやか代弁してくれるようだ。
「うん、似合ってるよ。そのおちんちんのリボン♪」
「言わないでぇ~……」
 そのさやかの指摘に、望は思わず顔を赤らめてしまうのであった。
 そう、彼はなんとその自身の分身に、本来女性が自身を彩る際に使用するリボンを身に付けていたという事なのであった。
 そのリボンをペニスに巻き付ける事によって、彼は強引に射精を塞き止め、その一回限りの絶頂を後のお楽しみにとっているという事なのである。
 しかし、ここで誤解しないで欲しいのが、この案に関しては断じてさやかからの強要という事ではなかったという所であろう。
 そう、これはさやかと望の二人がしっかりと相談して決めたという事なのであった。
 さやかの方からしてみれば、折角望に聖女学園の制服を着させて愉しんでも、すぐに彼に果てられてしまっては興冷めもいい所であるのだ。
 そして、望の方からしても、このように女装した上でノーパンになるという背徳的という言葉では済まないような行為をするからには、徹底的に愉しみたいと思う所であったからだ。
 こうして、互いの了承を得た二人は、今こうして夜の境内へと出向いているという展開を迎えていたという事なのであった。
 ちなみに、この行為をする際の二人の名目としているのはこうであった。
「それにしても、これは随分と破廉恥な『肝試し』となっちゃったよねえ……」
 そのさやかの弁に、望も賛同の意を見せていく。
「うん、これだと怖さとは別の度胸を試すような行為だよね……」
 そう言って望は少々自分達を自嘲気味に言ってなけなしのため息を吐くのであった。
「そう言いっこなしだよ? これをこなした後には、普通の肝試しとは比べ物にならない位の称号というものが手に入るって気がしない?」
「うん、確かにそうだね?」
 そのように、望は珍しくさやかの弁に賛同する意を見せたのである。
 が、やはり彼は少し斜めを行く見方というのが好きなようであり。
「それと同時に、『烙印』ってのも確実に下されそうだよね?」
「むぅぅっ……」
 この望の反論に、さやかは更なる反論が出来ずに唸り声を上げて押し黙ってしまったのであった。これにて、舌戦は望の勝ちとなったのであった。
 だが、ここで引き下がらないのがさやかという少女なのであり、彼女はここでこう切り出してくるのであった。
「それにしても、今の望って正に『エロカッコ可愛い』って所だよね」
「いや、それ属性多すぎでしょ?」
「うん、私もそう思うけどね? でも、全部的を得ていると私は思うんだよね?」
「そうかな……?」
 そのようにさやかの弁に対して首を傾げてしまう望であったが、ここはさやかの方が正しいというものであろう。
 それは、望の肉体の外観がどのようなものであるのかというのが論点となってくるだろう。
 彼は少女と見紛う程の可憐な容姿でありつつも、その肉体は完全に華奢なものではないからであった。
 彼は激しいスポーツはしないものの、日頃からウォーキングなど鍛錬を欠かさずに行ってきたのである。
 故に、彼の肉体はスタイリッシュでありつつも、確かに筋肉の乗った洗練された肉体となっていたのであった。
 その為に、今の彼には聖女学園の制服という魔性の代物を身に纏っても、決して服に『着られている』というイメージはなく、逆にその自身の洗練された肉体を着飾らせるにまで至っているという印象となっていたのである。
 この辺りが、さやかが格好いいという評価も入れた要因となっていたのであった。
 そう、さやかには今の望はその肉体美を聖女学園の制服で以って惜しげもなく曝け出しているという頼もしさすら感じられていたのであった。
 率直に言うと、計らずともさやかは聖女学園の制服を纏う望の姿に『惚れ込んでしまった』という事なのだ。
(……でもこの事は、悟られないようにしないとね)
 そう彼女は自身の心の内で肝に銘じる所なのであった。もし、このような心境を望に悟られてしまったら、彼女が色々と練っている聖女学園の制服をふんだんに使ったシチュエーションに差し支えが出てしまうという所だからである。
 なので、彼女は自身の密かなる内心を隠しながら、望に言うのであった。
「さあ、これから愉しい『肝試し』の始まりだよ♪」