[東方よろず計画!]
(とうほうよろずプロジェクト)
お題:ドラゴンボールZのカルト的人気の秘密
[コメンテーター:孫美天]
【概要】
[あらまし]
そういう事で、何故このドラゴンボールZが世界的にヒットしてシリーズの代名詞にまでなったかを追求して行くという事ね。
その追求が必要となる程にこのカテゴリーは何故か人気が出ているからね。
まず内容は、無印時代の最後で孫悟空が大人になった所をそのまま引き継いだという思い切った内容になっているね。
あれは最後に悟空が物語上で成長仕切ったものとして表現されてそれで締め括りとした所を、その状態で平常運転させて行ったのがこのZという事なんだよね。
そして、やる事は無印時代にバトルと両立していた冒険部分を切り落として前者だけで運転させて行ったという感じだね。
[実際の売れ行き]
そんな感じで創作物としての芸術性が削がれた作りでありながら、このカテゴリーはシリーズの中でも屈指の人気になっている所だね。
そして、他の作家によるドラゴンボールのパロディーは大概このZになっている所というのも捨て置く事の出来ない事実だね。
その理由の一つには、やっぱり登場人物が宇宙規模の戦闘能力を有して行ったというのが大きい所だろうね。
それ故に、他のバトル作品よりも戦闘描写が苛烈な事になっているから他の戦いが安っぽい印象を当時の子供達は受けたんじゃないだろうかという事だね。
それでも人造人間編から徐々に飽きられて来たのは、いくら強くても無印時代の冒険要素が廃されて戦いばかりになって来た事を子供心ながら感じていたからだろうね。
[人気の理由]
それでいながらフリーザ戦までは全盛期だった理由に二つある所と思われるね。
それが、『戦闘力の表示』と『悟空の上半身裸描写』という所だね。
前者はRPGで言うレベルのようなものを漫画・アニメの世界に取り入れさせたのが大きかったんだろうね。
それによって子供が夢中になるゲームの要素が漫画・アニメに投入されたから興奮する所だったんだろう。
後者に関しては、他のバトル作品でもケンシロウのように例がある所なのに悟空が特別な需要があったのは。
鳥山明先生の作風にあっただろうという事だね。この人のキャラクター描写は成人男性でも子供や女性のように顔のパーツ配置が『可愛い条件を満たす』造りになっているからね。
その状態で悟空の裸が描かれた事によって、少々卑猥な例えになるけど『美少女レイプモノの成年向け漫画』のような旨味が絵的に表現された訳だね。
しかも本物のそれは美少女が陥れられてそのままバッドエンドになるケースが多い中で、このドラゴンボールZは確実に敵に逆転すらするという展開だったからね。
つまり、レイプと逆転勝利という興奮と安心が兼ね備わった成年向け漫画風味の造りになっていた訳だね。
それが、人造人間編からはその両方が無くなったから徐々に人気が下がっていった一因と思われる所という訳だよ。
[印象に残る理由]
それでもこのZばかりが印象に残っている理由は他にある所だね。
それが、二つの意味での『引き延ばし』にある訳だよね。
一つ目の意味が人気が高いから鳥山明先生は早く終わらせたかったのにどんどん描かされる羽目になって、結果一番長く続いてしまったカテゴリーになっているからね。
二つ目の意味だとアニメで戦いばかりの描写だと無印時代の頃のようにオリジナルの展開を入れて原作のストックが潰えないようにしていたものだけど、Zだとそれが出来ないが為にアニメの展開を遅らせる事で対処していた訳だね。
そういうのはキャプテン翼やドカベンでも言える事だけど、特にこのドラゴンボールZは顕著だったと思われる訳だね。
そういう訳でZに関してアニメの放送期間が無印よりも格段に長くなってしまったのが要因という事で。
この為にパロディーがZばかり行われるのは、Zにばかり長い期間見させられていたから無印の事は記憶から薄れていったという事になる訳だね。
こう整理すると、Zの潜在意識を支配する強烈なイメージは必ずしも作品の完成度だけでは無かったという判断が出来るようになるという事だね。