雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【アニメ】鬼滅の刃27無限列車編

 はい、これにて私も誇張表現抜きにして伝説となった『鬼滅の刃 無限列車編』を映画館で鑑賞するに至りました。
 ここからは、ネタバレになりますのでご注意下さい。
●区切り●
 ネタバレになると注意書きしたのとは矛盾する事になるかも知れませんが、この『鬼滅の刃 無限列車編』は炎柱である煉獄杏寿郎がお亡くなりになる事を予め知っておかないと精神的ショックが大きくなると思われますね。
 私は、作業所の利用者さんからネタバレで聞いて知っていたので心の準備が出来ていました。
 内容自体は、このアニメらしくギャグが程良く入っていて観やすくなっていますね。個人的に『裸イノシシ』という珍妙な言葉がツボでした。
 そして、何と言っても件の煉獄の格好良さに魅力が集約されている所でしょう。
 人間というものに対して尊重をしている心構え、そして死の間際にも『君にまで死なれたら私の負けじゃないか』と炭治郎を気遣っているという優しさと、勝利とは何の為にあるかを考えさせられる一面を垣間見ました。
 彼は正に『強い人間』である事に対する誇りを誰よりも大切にしていたと思います。
 これは中々出来ない事ではないでしょうか。人間である事に誇りを持てない人は沢山いますし、ある種の強さを持っている人もそのありのままの自分に自信を持っていないケースも多いですから。
 人間として生まれたからには、この煉獄杏寿郎という存在からメッセージを受け取っておく必要があると私は感じます。

◇ ◇ ◇

 このように煉獄の格好良さは一級品だったのですが……。
 どうも映画としてはこの『無限列車編』は異質な作品だったと感じました。
 というのは、これは映画の為に書き下ろしたオリジナルのストーリーではなく、原作の一部分を抜粋した作りとなっているからですね。
 まず、映画でありながらハッピーエンドでない事に加えて、テーマも一つではなくなっています。
 前半は夢を操る敵との交戦を通しての炭次郎の境遇と仲間の持ち味に触れる構造、最後は上弦の参との交戦を通しての煉獄の信条と生き様に触れる構造。
 このようにテーマが一貫していないのは違和感がありましたね。例えば名探偵コナンの映画ならば映画の為に作られた一つの大きな事件に立ち向かっていくという構造なのですっきりと観る事が出来るようになっていますから。
 後、原作からの抜粋である為か、アニメ映画としては少々長い上映時間でした。14:40からの上映で、出てきたのが16:50程になっていましたから。
 それらの事から『映画作品』として見ると、私は個人的に『借りぐらしのアリエッティ』の方が好きだったと今感じますね。
 その映画もハッピーエンドとはいかないものの、映画館から出てその内容を思い返していると、様々な要素に魅力があった事をじわじわと感じさせられて徐々にカタルシスが得られる作品だったのですが。
 この無限列車編は結局私はカタルシスは味わえない仕舞いでした。これは映画作品としては問題でしょう。
 でも、感動出来る作品ではあるので、鬼滅ファンならば絶対に映画館へ行く事をオススメします。原作の展開なので、アニメで観ているなら今後絶対にあるだろう二期へ繋ぐ為にも視聴は必要となるでしょうし。