雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

[特別]220814勇美とディヴァイン崇拝者

※この記事は、自作小説『MOONDREAMER』の二章、三章の主人公の黒銀勇美と、彼女の人物像を構築するに当たって反面教師にしたディヴァイン崇拝者との折り合いを自分で洗い直すコンセプトです。
 本来ならば、谷口悟朗監督の持論のように自分の作品に籠めた意味合いをユーザーに要求する事はエンターテイメントに反すると思っているのですが、私の怒首領欲から取り決められた『ネットで感想をもらえない』という枷がある為に、その理論に従えないが為にこうして自分で洗い直す事で彼等と心の蹴りを着ける事を目的としました。
 なので、『MOONDREAMER』をお読みいただく際に自分の考えを持ちたい場合には、この記事はお読みにならない事を推奨します。
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 この特別コーナーを進めていくのは、依姫を慕う黒銀勇美と、その依姫の師匠である八意永琳なのであった。
 まずは永琳が言葉を発する。
「それじゃあ勇美ちゃん、かなり特殊な例だけど一緒に頑張ろうね?」
「はい、八意先生!」
 対して勇美も元気よくこのコーナーの相方の名前を呼ぶと、いよいよ取り仕切られるのであった。
「まず、勇美ちゃんは依姫の事を慕っているけど、断じて彼女に自己投影をしている訳ではないのよね?」
「はい、依姫さんの事は大好きですけど、あの人の真似ではなく自分自身を大切にしたいと思うからですね」
 その事があって、依姫は勇美に神降ろしの力を貸すに至ったのである。もし、勇美が自分と同じやり方で神降ろしの力を使おうとしていたのなら、勇美には力を貸さなかったであろう。
 その辺りは、原田亮介容疑者や小森和泉容疑者がディヴァインと自己を同一視して自身の仮初の自信として確立していた事と対照的なのである。
「次に、勇美ちゃんはちゃんと物事の分別があるわよね?」
「はい、悪い事は悪い事って、しっかりと認識したいからですね」
 故に、彼女は今まで神の意思が必要となる神降ろしの力を使いこなす事が出来てきたという事なのである。
 小森容疑者に関しては、彼女は本気でディヴァインが悪い人間だと認める事が出来ないが故に彼を批判する人間を『改心』させようとすらした訳なのだ。
「それから、自分自身の意思を大切にするわね」
「依姫さんには、誰かに言われたからでなく、自分であの人に着いて行きたいって思ってそうしましたからね」
 原田容疑者に関しては、とにかく複数の人間が指示するという風潮が欲しいのであった。
 故に、掴まされた『複数のアドレスを使え、それで複数の人間を装って標的を倒す』という人間としての反則行為を平気で行うに至っていたのだ。
 対して、勇美は『自分が決めたから』という気持ちを大切にして事を決めてきたのである。
「そして、戦う相手の個性を大切にもするわね」
「幻想少女の子達は皆個性的ですからね、それに触れるのが楽しくて」
 相手の持ち味を大切にして楽しめるからこそ、勇美は寛容な態度が取れるのだ。
 原田容疑者の場合は、敵とみなした者に関しては、その者が作った作品ですら容赦なく糾弾する事が出来てしまうのだ。それも、件の複数人を装う力を使って。
「続いて、相手の事情を察してくれるのも見事だったわよ。純狐や嫦娥の時は彼女達の仲を取り持ってくれて助かったわ」
「はい、ややこしい事をする人でも、それに至る理由がある訳ですから、それを忘れないようにしています」
 対して、小森容疑者はディヴァインが何をしたかという事情を無視して、ただ彼が批判されるのを阻止しようとする強行性があったのである。
「後は、幻想郷の部外者でも優しい接し方だったわね。清蘭や鈴瑚の時は良かったわよ」
「かく言う私も外来人ですからね。他所の者だからって自分達のルールを押し付けるのはやめておきたいのです」
 これに対して原田容疑者と小森容疑者は共に『ここでは○○だ』という表現を好んで使ってその場所のルールを利用して相手を抑圧するする手法を得意としたのである。
「最後に、依姫に自己投影するような形になっていないからこそね。月の異変を二度に渡って解決したのは実に見事だったわよ」
「いえ、これは私だけの力ではありませんから」
「それでも、自分は偉大な依姫と同じ存在だと泥酔するようであったら、そんな事は出来なかった筈だから、これは自分の誇りにするといいわ」