雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【デウスXマキナのよろず大百科】パロディアス試し書き

[暴く者と紛れる者]

 とうとう始まったアイとシャドーのスカウトの為の勝負。
 その展開は今は確実にシャドーに分があるという所であろう。
 何せ、最初のアイの攻撃をその自身の特性で回避し、その勢いに乗って今度は自ら攻撃に転じて行ったのであるのだから。
 戦いの流れは一見すると一方的に見える所であろう。だが、勝負となればその流れというものはいつもストレートに決まるという事ではないのであった。
「ほう、やりおるな♪」
 目の前の暗色の間欠泉を目にしたアイの台詞がそれであったのだ。
 そう、その態度には余裕すら窺える所なのであった。
 即ち、流れに傾きを与えられたのはアイの方だったようだ。
 それを見ながらミナトは言う。
「父さんにはどういう秘策があるのでしょうか?」
 ここでどう出るのかが息子であるミナトにも分からない所なのであった。
 その辺りはアイの底が未だにミナトには見えていないからであった。この人の真の力はそう拝めるものではないだろう。
 その事は神霊機で呼び出す神の力はもとい、それによってどのような変化を遂げるのかというのもその時になってみないと分からないという所にあるであろう。
 なので、ミナトがいつも見る父の戦いというものは常に新鮮なものとなっているという事なのであった。
 なので、ここは実際にアイがどう出るかを見ない事には始まらないという所であろう。
 その答えをアイは行動で示すのであった。
「ふんっ!」
 そう彼女が掛け声を上げると、おもむろに手に持った先程のつるはしを再び地面へと叩き付けたのである。
 しかし、先程のような土の粒の群れだとこの間欠泉となったシャドーの攻撃に飲み込まれてしまう所であろう。だが、結果は違うものとなったようである。
 一瞬地鳴りのような音が鳴ったかと思うと、そこから『地面』が隆起して来たのであった。
 その辺りは、まるで地面の一部がビルをミニチュアにしたかのように綺麗に直方体にせり上がって来たという事なのだった。
 後は想像に難くないだろう。液状となったシャドーはその土の壁に強かにその身をぶつけてしまったのである。
 水が弾ける音と共に、シャドーはその壁にぶつかってその反動で押し返されてしまったのであった。
 そして、再び水がぶちまけられる音と共にシャドーはその身を再度犬の形にしたのである。
「グルルルル……」
 威嚇の唸り声を漏らしながら、突如として現れた眼前の防壁に恨めしそうに念を送るシャドーであった。
「どうじゃのう? どうじゃのう?」
 思いの外上手くいって上機嫌となるアイなのであった。どこかの新世界の神の如く『計画通り』と言わんばかりな振る舞いだった。
 その様子をミナトとさやかが見守りながら言い合う。
「あなたのお父さん、やりますね。シャドーちゃんのあれを簡単に防ぐ人なんて早々いないですよ」
「そうなんですか。やっぱり父さんは凄いという事ですね」
 そう感心し合いながら事の成り行きを二人は見守る事にしたのであった。
 さて、視点は再びアイとシャドーに戻る所なのだった。
「がう……」
「どうじゃ、次はどう出るかのう?」
 ここから相手がどう出るかを見届ける事にするアイ。そんな感じで少しばかり悪乗りしてしまっている所なのであった。
 そう思いながらアイはここで思い直す。
(う、うむ。少し調子に乗りすぎなわしじゃのう……)
 そう彼女は考え直す事にしたのであった。
 幾らこのスカウトの為の魔物との戦いが『相手に勝ってもらう為に施す』というものであっても、自分が安易に負けるような戦いにしてはいけないだろう、と。
 その事を忘れてはいけないだろう。そのような事をすれば寧ろ魔物に喜ばれるどころか失礼になってしまう所であろうから。
 なので、彼女は再びその緩みきった考えを自分の脳内で正す事としたのであった。
(よし、軌道修正はこれでしたぞな?)
 そのスイッチアップと言うべきトリガーに彼女は何を選んだのかというと。
 自分の出で立ちを思い出す事にしたというものであった。
 まず、彼女は巫女装束でありながらその小袖に当たる部分は袖がなくノースリーブとなっており腋が丸出しになっているというものであり。
 かつ、巫女のしきたりをキッチリ守っているが為にその袴の下はノーパンを遵守してもいるという所であったのだ。
 今更ながら思い切りすぎた破廉恥と取られても仕方のない仕上がりになっているだろう。
 幾ら肉体年齢が9歳であって未成熟であっても、寧ろそういう趣味嗜好の男性も多いのであるから、少しは人の目を気にするべきという所であろう。
 しかし、そのような召し物に自分は身を包んでいるという事を想起する事によって『このような出で立ちで戦っているんだぞ』と再認識を自身に促して士気を高揚させる事に繋げたのであった。
 その際に所用した時間は僅か三秒。伊達に『巫女』になってからずっとノースリーブ・ノーパンを続けてはいないという賜物という所なのである。
 その一瞬の変化をミナトは見逃さなかったのである。
「父さんの雰囲気が変わりましたね?」
「そうなんですか?」
 その事は今回初めて出会ったさやかには無論知る由は無かったのであったがそれは無理からぬ事であろう。
 そんな彼女の為に、アドバイス染みた事をミナトは言う。
「この勝負、次で決まる所ですね」
「…………」
 そのミナトの物言いにさやかは思わず固唾をごくりと飲み込んでしまう。それだけ、この場の戦いから感じられる駆け引きが彼女にも伝わっているという事なのであった。
「それは楽しみですね」
 なので、その一言だけ彼女は言っておく事にしたのである。後は自分の愛犬と偉大な皇帝の行く末を見守るだけだと。
 そのような展開となって来た訳である。故に、ここからが最大の見所となる所であろう。
 そんな雰囲気になって来た所であったが、アイはどこ吹く風という感じなのであった。やっぱり腋出しかつノーパンという出で立ちを再認識してそれが如何に刺激的であるかを噛み締めていてそれどころでは無かったのである。
 しかし、そんななのでやる気の方は十分過ぎる程になっていたのであり、彼女の方としてもここが最後の正念場である事は察する所なのであった。
「うむ、シャドーや良くここまで頑張った。じゃから次で終わりとしようかの?」
「ガルル……」
 そのアイの弁にシャドーは喉を鳴らして威嚇的な態度で受け止める所なのであった。
 それは無論、『そう簡単にお主には勝たせまい』という言外のメッセージが含まれる事を人語を返せない彼とてその肌で感じ取れる所であったからである。
 次で決まる。だから自分も抜かりなく全力を出すだけだ。そうシャドーは人間の言葉で現すならばそのような言い回しになる想いを心の中で誓うのであった。
 そして、その境地の為の行動をアイは行う。
「では、最後にこうするとしよう」
 そう言うとアイはその手に持ったつるはしとスコップを両手でクロスさせるように一挙に握り締めたのであった。
 すると、そこから目映い光が発せられたのである。
 ちなみに再度確認すると今は夜中なのだ。そんな中でそのような光を住宅街で出せば下手をすると近所迷惑になりかねないが、そこはご愛敬というものであろう。アイは皇帝であるからもしもの時のお詫びの品も弾む事になるであろう。
 閑話休題。万が一の謝罪の対応も思い付いているから今のアイに懸念材料は無いのであり、次で使う力を存分に使えるという所であろう。
 その事に応えんばかりに、近所迷惑になりかねない光の奔流はここで収まったのであった。
 そして、その光が収まった後にあったのは……。
「金槌……」
 そうさやかが呟く通りの産物がアイの手には握られていたのである。
 それは、正に漫画で登場するような現実には有り得ない1000tハンマーなのであった。
「これで、もっこりを叩きのめす事が出来るぞな?」
「父さん、それ別の世界の事です!!」
もっこりって誰ですか!?」
 アイがこの世界とは違う『都市狩人』世界の話に片足を突っ込む発言をするのを二人は意気投合したかのようにツッコミを入れるのであった。
 ちなみにシャドーは人語を介せないからそういう世界の認識は無かったのであった。お利口さんだね。
 そんなかんななやり取りがあったが、重要なのはアイがこれで最後の攻撃に出るという事に他ならなかったのであった。
「とまあ、異次元の話はここまでにして。これがそう簡単に攻略出来ない事はお主も察する所じゃろう?」
「グルルルル……」
 そう挑発的に言われて、再度喉を鳴らすシャドーなのであった。挑発には安易に乗っては負けフラグになる所であるが、軽い気持ちで挑む事もまた負けフラグになる事をシャドーは犬の心なりに感じ取れる所であったのだ。
 そのような展開となり、お互いに『程良い』緊張が包まれる事となったのである。
 緊張。それは過ぎると足枷になるものの、試験のようなケースの場合にはリラックスばかりしていられなくて、適度な量のそれがあるのがベストという所なのだ。
 故に、今のこの雰囲気は正に最後の締めに相応しい格好の条件となっていたのであった。
 条件は揃った。後は時が動くだけであろう。
「では、行くぞな?」
 そうアイは言うとその行動に迷いは無かったのであった。その大金槌を思い切り地面へと叩き付けたのであった。そこに凄まじい轟音が鳴り響くのであった。
 すると、地面が砕けてそれが宙に舞い上がる事となったのである。
 しかし、一口に言葉で表現するにしても、その影響力は先程のつるはしの時とは雲泥の差なのであった。
 その規模は凄まじく、今の空き地一帯の地面全てが宙に舞ったのである。
 轟音に空き地一帯の地面粉砕。騒音公害に環境破壊も良い所であるが、その辺りは問題無かったのであった。
 アイがここに来る事はさやかが知っていた通り、この一帯の住人には知らせていたのであるからだ。故に、今夜限りの辛抱という認識でいてもらっているのである。
 無論、その際のお詫びの品は既に手渡している所でもあったのである。
 その辺りはアイは例えその肉体が9歳であっても中身は大人なので、ちゃんと『大人の対応』が出来る仕上がりとなっていたのだ。
 そのように事前の仕込みは済んでいるので、後は戦いの締めに集中するだけであろう。
 そのような大っぴらな芸当をアイがこなす中、さやかはこう呟くのであった。
「あのハンマー。本当に1000tありそうですね?」
 そう彼女はアイの底力への認識に順応してしまっていたのであった。人間には担ぎ上げるのは不可能なその重さの産物でも、この皇帝村雨アイならば出来ておかしくないという理解の速さなのだった。
 その真偽はどうか分からないが、今重要なのはアイがその大金槌で空き地の地面という地面を砕き、それらを宙に大量にばら蒔いたという所に他ならないだろう。
 そして、気付けばシャドーの視界には目一杯の土の塊の大群がひしめいていたのであった。
「ガウ……ッ!!」
 この圧巻の光景には彼も思わず一唸りしてしまう程なのだった。彼にも今自分が置かれている状況というものが分かる所であったからだ。
「さて、この今の状態。これがお主にとって何を意味するか、分かるじゃろう?」
 そうアイが言うように、シャドーは人語は話せないものの、その知能は人間並みにあるという事を示唆しているのであった。そんな彼が現状が何であるかという事は得てして察知出来る所であろう。
 そう、これは絶体絶命という事に他ならないだろう。完全にシャドーは敵の土塊の群れに包囲された脱走犯のようなものになっているのであるから。
 そして、とどめの行為をアイは行う。
「では行け、土塊どもよ!」
 そうアイが指を指して合図するとそれは起こったのであった。宙に浮いていた土塊という土塊全てがシャドー目掛けて動き始めたのであるのだ。
 その動きは実にゆっくりであったが、これだけの量が全て自分に向かってくるとなるとその物量で自分は押しつぶされてしまうだろう。何せ、逃げ場の無い程にそれらは埋め尽くされているのだから。
 ──逃げ場がない程。そして、動きはゆっくり──
「…………」
 その事を瞬時にシャドーは脳内で把握したのであった。
 対して、アイは自身の優位を信じて疑わない流れになっていたのであった。
 これだけの量の土塊。相手はかわす事は出来まいじゃろうてと思いながら。
 そう思っていたアイであったが、ここで異変に気付いたのであった。
「うぬっ……!?」
 気付けばシャドーの姿が今までいた所から掻き消えているではないか。
 そして、目を凝らすとシャドーの姿は確認出来たのであった。
 いや、この場合はシャドー『達』と表現するのが良いだろうか。
 シャドーは咄嗟にその身体を影に変えて、迫り来る土塊の中へと潜りませていたのであった。
 そこでお察しになるのではないだろうか。そう、無論この土塊はアイの力で無数に宙に巻き上げられてシャドー目掛けて飛び交っていた真っ最中なのであった。
 その『無数』にある土塊『全て』の中にシャドーの影は存在していたという事なのだった。
「うぬぅ……!!」
 それが何を意味するかはアイはすぐに察したのであるが、時既に遅しなのであった。
「ガウ!」
「ガウ!」
「ガウ!」
 一斉にシャドー『達』が吠えると、その土塊の中からアイ目掛けて飛び出していったのである。無論それが土塊の数だけあったのであるから、その光景は狼の群れが宙を舞いながら飛び交うかのような異様でありながら雄々しい圧巻のものとなっていたのであった。
 そして、その爪と牙は一直線にアイ目掛けて飛び交い。
「うぼぁー……」
 瞬く間にアイを打ち負かせていたのであった。

◇ ◇ ◇

「いやあ、見事じゃったわい♪」
 そう言いながら初めてのケースとなった人語を介さない魔物の勝利を労うアイであったのであった。
 その事からアイはここに可能性というものを感じるのであった。このように人と話せないような魔物であってもスカウトの対象に問題なく出来るという事に。
 その彼女の内なる喜びを察したかのように、さやかは言うのであった。
「シャドーちゃんもアイ陛下もお見事でした。そんなあなた達にはとびっきりの御馳走をしてあげますよ♪」
「うむ、今日は晩ご飯、三倍食べていく!!」
「あらあら♪」
「父さん、色々それ混じってますから」
 具体的には、欧米で再ブレイクした筋肉芸人と、父親を探して冒険の旅へ出た英雄がという事であったが、後者も最終回でものの見事な『きんに君』になるから問題ないのかも知れなかった。
 そして、その身体で三倍も食べるのかというツッコミは決してしない理解ある二人なのであった。
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 こんな感じで砂の毛皮が引っ越したお陰でパロディアスの機刃の執筆が滞りなく書けるようになった次第ですね。
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《マッチ》
・依姫を不人気にし、パロディアスの執筆妨害。
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《ポンプ》
・依姫より人気になる想定かつ、ノーパンを気持ちよく着こなすコチ・マルティノッジを作らせようとする。
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