雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【雑記】スーパーゲームボーイの名作

スーパーゲームボーイ』。それはかつて携帯ゲームであるゲームボーイのソフトを、スーパーファミコンを介してテレビの大画面とコントローラーを用いて快適にプレイ出来るようにしてしまう優れものでした。
 今では携帯ゲームをテレビでプレイ出来るようにする手段は幾らか確立されていますが(最新機種のニンテンドースイッチに至っては、それ単体で据え置きゲーム機と携帯ゲーム機の両面の特性を持っています)、当時としてはかなり画期的でしたね。

 スーパーゲームボーイが出た当時は学校にゲームを持ってくる事など言語道断で(そもそも今でも本当は良くない事ですが)、ゲームをプレイする際は大体家になるケースが多かったです。
 そんな中で、家でわざわざ持ち辛くて画面の小さいゲームボーイでのプレイは億劫なものでした。
 今の携帯ゲームはプレイ心地を考慮して持ちやすくなっていますが、当時のそれはもう難儀でしたから(でも、DS、3DSの構造はアクションゲームに向いていなかったように感じますが)。
 ゲームをやるのは主に家、ゲームボーイは画面が見辛く持ち辛い。
 まさにそれらの条件が、テレビ画面で、スーパーファミコンの持ちやすいコントローラーでゲームボーイ作品を操作出来る『スーパーゲームボーイ』にはうってつけだった訳です。

 それだけではなく、スーパーゲームボーイには白黒のゲーム画面を、大雑把ではありますが色を着ける事が出来たのですよね。それにより画面を自分のお好みのカラーリングに出来た訳です。
 更にはスーパーゲームボーイ対応ソフトが販売され、それを本機でプレイすると専用のカラーリングが用意されており、機械が場面に応じて自動で色を変えてくれ、それにより白黒だけだったゲームボーイソフトに大いにメリハリがついたものです。
(一方でもう一つの目玉であるフレーム機能はゲームプレイの画面を狭めている、今思うとあまりよろしくなかった機能のように感じますが)

 スーパーゲームボーイの性能を最大限に引き出したのは、これがなかったら携帯ゲーム機というジャンルそのものが廃れていたかも知れない『ポケットモンスター』(初代)でしょう。
 この作品では町の外から町の中に入ると画面の色が(足を踏み入れた瞬間に)変えられるので、新しい町に辿り着いたという高揚感が高まる仕様でありました。
 更に極め付きは、色の領域を調整して、自分と相手のポケモンに別々の色情報を与える機能が搭載されていました。これにより、ポケモン同士のバトルに華が添えられる事となっていた訳です。
 恐らく、通信ケーブルを使用出来るようにした後続機の『スーパーゲームボーイ2』はポケモンのために作られたと判断しても良いでしょう。

 それだけ初代ポケモンスーパーゲームボーイの機能を引き出していた訳ですが、その意味ではこの『星のカービィ2』も忘れてはいけないでしょう。

f:id:deusxmachina:20181030123929p:plain

 この作品は『2』故か、『虹』がテーマになっています。このように、

一面:黄f:id:deusxmachina:20181030123708p:plain

二面:緑f:id:deusxmachina:20181030123725p:plain

三面:青f:id:deusxmachina:20181030123743p:plain

四面:藍f:id:deusxmachina:20181030123804p:plain

五面:赤f:id:deusxmachina:20181030123823p:plain

六面:橙f:id:deusxmachina:20181030123839p:plain

七面:紫f:id:deusxmachina:20181030123855p:plain

(三面と四面の青と藍の関係は逆も知れないですが)

 このように、各ステージの画面のカラーリングを虹の色に準えた仕様なのです。
 それ故にインパクトが生まれており、スーパーゲームボーイの性能の可能性を存分に宣伝する効果を出していたように思えます。

 ここからはスーパーゲームボーイの事からは離れますが、勿論カービィ2のゲーム性自体も素晴らしいですね。

 まず前作ではステージが5面しか存在しなかった為、ボリュームが少なかったです。
(しかし、エクストラモードでは敵の挙動が後続のカービィシリーズを見てもかなりぶっ飛んだものになっている為、実質10ステージとしても楽しめるかも知れませんが)。
 ですが今回は7ステージあり、更にステージ毎に複数のエリアに分かれています。しかも、ステージを追うごとにそのエリアは増えるので、『これがゲームボーイ作品か?』と思える程ボリュームがあるのがいいですね。

 そして、初代にはなかった、今では当たり前に存在する『コピー能力』を使えるのも嬉しいですね。それをゲームボーイで出来ていたという事が今になっては感動ものです。

 この作品は、今でもそれなりに通用するポテンシャルを秘めているので、ゲームボーイ作品をプレイ出来る環境が整っていて、アクションゲームやカービィが好きな人は一度プレイしてみるのをオススメします。

 しかし、まだカービィ初期の作品故か、幾らか惜しい部分もあるのですよね。

 まず、真のエンディングを見る為に、各ステージに一つずつ散らばっている『虹のしずく』を集める必要があるのですが……これを入手していくのが、全体的なカービィの難易度から逸脱した『理不尽』と言えるレベルのものなのですね。
 その理由が、虹のしずくの部屋への道のり、または部屋そのものに特定のコピーの攻撃でないと破壊できないブロックが存在していて、それを壊す為にコピー能力や、後述の『仲間』をキープしなければいけないのがえげつない難易度を誇っていた訳です。
 もしかしたら、このゲームが教訓になって、後続の作品ではコピー能力に対応する仕掛けが割とごく一部になり、特定のコピーで破壊出来るようなブロックは殆ど出なくなったと判断出来、その意味では無駄にはなっていないと考えられますが。

f:id:deusxmachina:20181030124005p:plain

 次の話になってくるのが、この作品のスーパーゲームボーイ対応以上の醍醐味となってくる、リック、クー、カインの三匹の仲間の存在ですね。

f:id:deusxmachina:20181030124021p:plainf:id:deusxmachina:20181030124033p:plain f:id:deusxmachina:20181030124054p:plain

 このようにデザインは可愛く、キャラクターとしての人気は高い彼らですが、ゲーム的には些か難儀ですね。
 彼らはカービィとは別に耐久力を持っていて保険の役割を果たしたり、それぞれ得意なフィールドがあったり、コピー能力の性能がカービィ本人だけの時とはうって変わったものとなったありバリエーションも豊富なのですが。
 まず、海のエキスパートであるカインが問題ですね。水中では快適に動け、更に水中で吸い込みが可能になる等、そこでは無類の強さを誇りますが、予想通り地上での行動はぴょこぴょこ這うように動くのですよね。
 それなのに、彼が仲間に出来る所からしばらく水中へ行くまで不向きな地上を歩かされるという強制縛りプレイのようなものを強要されるのは、基本的に自由度が高いカービィシリーズでは大問題でしょう。
(コピー能力をカッターにしてMr.シャイン&Mr.ブライトと戦った時は思わぬ活躍をしましたが)

 更に厄介なのが、前述の虹のしずく入手に特定のコピーに加えて、仲間も限定されるのが殆どである事ですね。
(仲間が限定されないのは1面だけですね。二面も普通の流れだと問題なくクーをキープしているからスムーズに行くでしょう)
 例えば、5面はスパークのコピーとリックをキープしながら強制縦スクロールエリアをこなしていく必要があり、これだけでも難儀です。
 しかし、極め付きは何と言っても4面でしょう。
 ここでは強制横スクロールエリアを地上が不得手なカインで、バーニングのコピーを持って進みます(バーニングは途中で入手出来ますが、最初から持っていた方が無難でしょう)。
 これだけでも大変ですが、本当の勝負はこれからです。
 次の水中があるエリアでは敵の能力でバーニングを失う事なく進み、バーニングで破壊出来る氷のブロックを『必要なだけ』破壊します。足場に必要なブロックまで壊してしまったら失敗です。
 次に水中の敵を倒して、ここからが正念場です。吸い込み可能なブロックが足下にあるので、それを『セレクトボタンを押して一時的にコピーを手放し、その隙にブロックを吸い込み、コピー星を破壊する事なく吐き出しどけて、再度コピー星を吸い込んでバーニングをコピーする』この動作をカイン搭乗のカービィが通れる通路を確保する為に最低二度行うという、かなり理不尽なテクニックを要求されます。

 これらの要素のお陰で、ただでさえ当たり判定がマリオの半分で軽快に動かせるカービィの旨みを奪う仲間が、更に縛りプレイの強要になっていて、それが自由度がウリなカービィシリーズとしてはマイナスになっています。
 この事が、キャラクター性に反してこの三匹の仲間が他のシリーズでは中々お呼びが掛からなくなっている一因でしょう。

 しかし、虹のしずく集め以外においては歯応えがあるととれる難易度とボリュームのある名作なので興味のある方は触れてみるといいでしょう。