[登場作品]
ドラえもん
『名は体を表す』人物で、恐らく最も有名な一角の一人でしょう。名前の通り何から何まで出来すぎな人です。
成績や運動神経まで完璧という完璧超人の体現と言える存在ですね。
それだけでなく、人格面でも出来た人だという事も忘れてはいけないでしょう。とある回(大山のぶ代期)では、しずかちゃんの事は好きだけど道具に頼るような事はしたくないという潔い発言をしたり、奥ゆかしい趣味を持ち心にゆとりを感じられたりと、そういった方面でも隙がありませんね。
ドラえもんの登場人物は基本的に長所、短所を持たされた存在がメインで活躍します。ですが、彼の場合は長所の塊なのですよね。
それは、長所だけだと動かしづらいという藤子先生の考えからだったのでしょうから、その辺りは仕方ないかもしれません。
ですが、私に言わせてもらうと……こういう好人物は誰かの親として登場して欲しかったというのがありますね。
困った事に、この世界では長所短所の混合体というのは『親』も同じだったりする訳です。のび太の場合は母親、スネ夫も母親、ジャイアンに至っては両親の人格に子供に悪影響を確実に与えただろう問題を抱えています。例外はしずかちゃんでしょうか。
そんな中ですから、親に模範的な存在がいて、それによる好影響を受けた子供というのが一人は出ていても良かったのではないかというのが私の意見ですね。
ちなみに、リアルタイムでドラえもんを見ていた人にとっては彼は概ね『勝てない敵』と映った事でしょう。それは無理ない事です。
しかし、年齢を重ねていく上で彼をただの勝てない敵だけの認識をしていくのは些か勿体ないのではないでしょうか。