いらっしゃい、【月水金符「ヴワル図書館」】コーナーに。
今回は東方の中でも曰く付きの作品ね。
以前にも紹介した事があるけど、今回は目次機能を使って本格的に紹介したいとの事なので、その点に注意してお付き合いしてもらえると助かるわね。
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[東方儚月抄]
(漫画)
[全三巻の内容内訳]
上巻
この頃はごく普通の漫画として読めるわね。内容は月侵略の為に紫が同志を集い、その敵味方のそれぞれの思惑が入り乱れるというものね。
東方原作漫画全般に言えるけど、説明無しに主要キャラが登場するから、これらを楽しむには他の媒体で知識を得ておく必要がある事は注意点ね。
中巻
この巻から幻想郷勢と綿月姉妹との邂逅が始まる所ね。
でも、まだ咲夜一人の敗北だから精神的には落ち着いて見られるわね。
この頃から依姫の美点というものが表現されていく事になるから、それに気付けるかが人を見る目があるかどうかという所になるわね。
一つ見所を挙げると、東方原作漫画で唯一弾幕ごっこを描かれ始めた巻という事で結構貴重な作品になるわ。
そして、私的な見どころとしてこの巻での私の台詞の『うんにゃ』が一時期流行ったものね。
底巻
ここから正念場となるわね。本腰入れておかないとキツい目に遭うわね。
幻想郷側である月ロケット組は魔理沙、レミリア、霊夢と依姫に無双される事となり、月への侵入に失敗した紫は豊姫の前で土下座を始めるなど、前知識は絶対必要になる所ね。
でも、この展開はヒーローものを逆の視点から見たという事であり、つまり怪人側から見るとこういう事になるとか。
神主が一番言いたかったのは、ヒーローを逆の視点で見てもヒーローと呼ぶに相応しい存在かどうかという哲学を提示したかったからだと感じる所ね。
これは、自分の視点でしか見ていないから本当にヒーローとして成り立っているのか疑問な主人公というものが世の中には少なくないからであり、神主はそれに疑問符を投げ掛けるのが一因だったのではという事ね。
なので、自分がヒーローである事を味わいたい場合には他を当たって王道の活劇を堪能するのが良いという事ね。週刊少年ジャンプならばそういう主人公ヒーローには事欠かないからその場合にはオススメね。
では、この儚月抄を薦めるとなるとどういう人向けかという事になるわね。
これは、敵側のヒーローの綿月姉妹を中心に見た場合は場合で読んだだけでは物足りなさを感じる事になるから、やはりここは二次創作に活かしたい人向けになる所ね。
結論として、『攻略に高難易度の二次創作素材が欲しい』人にはうってつけじゃないかしらね。
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[心構必要度]
【★★★★★★★☆☆☆】
7
やっぱり、主役側が負けていくという展開は単なる鬱・不幸展開とは違って本能的にダメージが多い所だから心しておかないといけないわね。
無限列車編の映画の場合にも同様の事が言えるから心する必要があるという事ね。