雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【東方頓知記】執筆ツール考察:Mery

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 このツールの紹介の為に集められたのは、我等が秘封倶楽部なのであった。
「敢えて言わせてもらうけど、Meryなだけにこの私、メリーことマエリベリー・ハーンを起用ってのは安直もいい所ね」
「まあまあ、それは言いっこなしだよ」
 そう愚痴るメリーに対してフォローを入れる宇佐美蓮子であった。
 そのような微妙な空気の元で紹介が始まってしまったものの、ここで気を取り直していく必要があるというものであろう。
「でもまあ、紹介していかないといけないわよね」
「そういう事だね」
 そう言い合って、二人は話を起動に乗せていく。
「この『Mery』は、一言で言うと『多機能』の一言に尽きるわね」
「確かに、他の執筆ツールと比べてもその機能が多い事が実感出来る事だね」
 そう二人が言うように、このツールは様々な機能が備わっているのである。
 その機能は実に多岐に渡るので、ここは筆者が愛用している機能についてピックアップしておこう。
「まず、何と言っても自分で用意した画像のデータを背景の壁紙として使える所だね。これがあると自分好みの気分で執筆が出来るというものだから」
 そう能力に反して右脳的な感覚で物事を進める傾向の強い蓮子がそれを挙げるのであった。
「確かに、このMeryだと壁紙が完全に背景に固定出来るから快適な印象の元に執筆出来る環境が整うというものね」
 その事に関してはメリーも同意する所である。
 次に挙げる機能としてはこれだろう。
「後、全画面表示機能も便利だよね。これでウィンドウのメニューで幅を取られる事なく執筆出来るからね」
「ええ、これがあると執筆に集中出来るというものよね」
 その機能に関しては、右脳的な蓮子も、細かく物事を進めるメリーの両名が賛同する所なのであった。珍しく性質の違う両者の意見が合致したのである。
「と、こんな感じで筆者は活用しているわね」
「うん、この他にも便利な機能が『本当に沢山』あるから、色々試してみて自分好みの機能を発掘してみるといいね」
 このようにして、まずはこのMeryの利便性に就いて一頻り触れた所であるが、ここからは少々惜しい所に踏み入らなければならないだろう。
「でも、多機能でありながら、『意外にかゆい所に手が届かない』ってのがあるんだよね」
「確かに……」
 蓮子の切り出しに、メリーも同意する所であった。そう、一見万能そうに見えるこのMeryには色々と穴が存在するのである。
 ここで、現実的な思考の傾向のあるメリーは率直にその一つに就いて触れておく事とする。
「まず一番先に目に付くのは、やっぱり『常時文字数表示機能』が存在しない所ね」
 そうメリーが切り出した事が示す通り、このMeryにはその重要な機能が『ありそうでなかった』のである。
 これは意外であろう、こう様々な機能に手を出していながら、よりによってその機能がないというのは。
「まあ、私の場合は常時文字数とにらめっこするのは疲れてしまうけどね」
「さすが、ルーズな蓮子は言う事が違うわね」
「それ程でも♪」
「褒めてないから……」
 と、テンプレなやり取りをする二人。
 そして、次の事にも触れておかないといけないだろう。
「後意外なのが、文字チェック機能が思いの外高くないという事よね」
 そうメリーが言うように、ものを書いた後の総仕上げに使うこの機能が物足りないという所なのだ。
 彼女曰く、サクラエディタなんかの場合にはお目当ての文字をくっきりと手っ取り早くマーキングする機能があるのであるが。
Meryだと、その機能がイマイチなのよね」
 それは、サクラエディタでは文字をチェックの一項目で行えるのに、Meryでは検索状態にする事で副産物的に行わなければならないのだ。
 これまた、一つのツールで執筆から総仕上げまでを一括で行うというのがやりづらい仕様となってしまっているという事である。
「後、これは仕方ない事だけど、高性能故に起動に少々時間が掛かるね」
「秒単位だけど、他のツールと比べるとどうしても気になってしまうわね」
 こうして全体の性質に触れたので、後は締めくくる事としたのである。
「惜しい所は意外に多かれど、見栄えに関してはピカイチな性能ね」
「うん、執筆というのは見栄えがモチベーションになるから、その辺りは極めて重要という所だね」
「そして、文字数を直で数えられないなら、代わりに端っこにタイマーツールでも設置してそれを計って『何分間書いたか』を見ながらやればいいし」
 そうメリーは言うのであったが、ここで『やってしまった』と思い直す。
「うわあ……嫌だぁ……」
「ごめん、私が悪かったわ」
 とにかく時間にルーズな蓮子である事を失念した提案をしてしまった自分を恥じるメリーであった。