雷獣ケーキ

東方を中心に二次創作小説やゲームデータを置いたり、思った事を気ままに書いていきます。

【東方頓知記】執筆ツール考察:ポメラ

f:id:deusxmachina:20220216122450j:plain

 ポータブルメモ帳を銘打った商品であるポメラシリーズ。
 それを紹介して行くのが、十六夜咲夜と犬走椛なのであった。
 無論、彼女らは自分達のこのチョイスに不服なのであった。
「これって……ポメラが『ポメラニアン』を髣髴とさせるから、『犬』の私達が起用された……って、冗談じゃないですわね」
「全くだ、私は犬ではなくて白狼天狗だってのに」
 やはり、二人とも納得がいかないようであるが、この場合は彼女らに進行してもらなわいといけないので、諦めてもらう事にしよう。
「気を取り直して紹介しますわね」
 そう言って咲夜は切り出し始めた。
「まず、このポメラシリーズの一番のウリは、何と言ってもその起動の速さですわね」
「ああ、その速さは文さんを髣髴とさせる程だな」
 そう二人が言う通り、このポメラはパソコンと徹底的に違う点がそれであったのだ。
 パソコンの場合は立ち上げてブートを始めて、漸く起動したと思ったら、物と設定によってはパスワードを要求されるという面倒極まりない仕様であり、それが普通なのだ。
 しかし、ポメラでは電源を入れたら本当にすぐに起動されるのである。
 その様はパソコンはおろか、携帯ゲーム機すらも凌駕する程なのだ。
「処理が簡単な初期のゲームボーイすらも上回りますわね」
「そう言うとポメラのその凄さが分かるというものだな」
 二人とも、しみじみとそう言い合うのであった。
 だが、そう利点ばかりでもないのが、このポメラなのである。それを二人は進めて行く。
「でも、『ポータブル』を謳っているけれども、少々携帯品としては難儀ですわね」
「そうだな、いつも大剣を持ち歩いている私が言うのも何だが、こうも持ち運び辛いとだな」
 そう、携帯に関する問題なのである。
 幾ら小型のノートパソコンの半分程のサイズに抑えられているといっても、携帯機としては大きすぎるのだ。
 折角のいつでもどこでも執筆出来るアイテムでありながら、これだと少々その旨味を殺してしまっているのである。
 しかし、以前には折りたたみ形式のものもあり、それがリニューアルして復活するというケースも考えても、大きさに就いては機能面との兼ね合いで難しい所であったのだろう。
 その他にも問題があり、その事を咲夜が切り出していく。
「持ち運びの点に就いては主に自宅で使う事を考えるとしても、文字数が常時表示されないのが難儀ですわね」
 そう、ポメラでは文字数が常に画面に表示されているのではなく、F10キーを押してその都度出さないと確認出来ないのである。
 その辺り、咲夜のようなマメな人間には酷という所であろう。
 それに続いて、椛も追加で惜しい所を挙げていく。
「後、その余計な機能を廃している事も手伝って、壁紙を設定出来ないのが味気ない所であるな……この辺り、中ボス故にテーマ曲がない私には何か通じるものがあるな」
 椛はその事に関して一人しみじみと頷くのであった。この事は、五面ボスで始まり、その後も派生作品でテーマ曲を与えられている咲夜には分からない所であろう。
 後、面倒な問題がこれなのである。
「ちょっと厄介な問題がありますわね。句読点を端に揃える機能がありますけど、それがポメラの中でしか対応していないという事ですわね」
 つまり、ポメラで書いている時には見事に句読点が整理されて『見える』が、実際にそれに安心してパソコンで開くと一行開いているという状況になってしまうという事なのだ。
「この事はキングジムにはポメラで書いたテキストがポメラ以外で使うという事を念頭に置いておいて欲しかったという所だな」
 と、問題点はそこまでにして、二人は起動の速さ以外の利点へと意識を向けていく。
「でも、忘れてはいけないのが『アウトライン機能』ですわね」
「ああ、あれはお前のように能力で館の構造を追加する器用さのある人には願ってもない機能だろうな」
 そのアウトライン機能とは、テキストファイル一つの中で、項目の仕分けが出来るというものなのである。
 そして、項目の仕分けをしておくとその項目毎に並び替えまで行えるのだ。それを一つのファイルで行えるのだから手軽であるという事だ。    
 この辺り、言葉では伝えづらいので、ぜひ使いこなして実感して欲しい所である。
 ちなみに、このアウトライン機能をフル活用して、筆者は番組感想やつぶやき風を拵えているという事なのである。
「後、忘れてはいけないのがスクリーンショット機能ですわね。この記事の画像もそれで撮りましたわ」
「それもだな。写真を撮るのが習わしの文さんなら実に有り難い所だろう」
 文で無くても重宝する所であろう。文字だけを書くという点でパソコンのそれのように頻繁に使う事はないだろうが、このように活用出来る機会が来るので、あるのとないのとでは大違いという事なのである。
 最後に二人はこのポメラの総評を纏める事とする。
「このポメラは全体的に見ると、その起動の手っ取り早さと語彙の多さとファイル内の整理機能と、『多機能』という事が分かりますわ」
「正に、お宅の所の七曜の魔法使いさながらという事だな」
「ええ、パチュリー様はツクール作品だと多機能高性能っぷりを遺憾なく発揮していますからね」